尿路結石について【すがわら泌尿器科・内科クリニック】 尿路結石について【すがわら泌尿器科・内科クリニック】

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DISEASE

尿路結石

症状

  • 尿に赤みがかかっている
  • 尿の色がいつもと違う
  • 下腹部に時折耐えられない激痛が走る
  • 脇腹~背中にかけて、びりっとする痛みを感じることがある
  • おしっこに行っても、尿が出ない
  • おしっこの量が減っている気がする
  • など

上記のような症状の方は、尿の通り道に結石ができている可能性があります。結石は耐えられない痛みのほか、「水腎症」という状態に陥りそれが続く場合には、腎臓が機能しなくなるなどの合併症を引き起こすことも大いにあり得ます。 また、感染結石のために、尿が出にくいなどの排尿障害があると、最悪の場合「腎盂腎炎」⇒「敗血症」という命に関わる疾患を誘発することもあります。当てはまる場合は、すぐに泌尿器科専門の医師に相談することをお勧めいたします。

尿路結石は決して安易に捉えてはいけない疾患です。

尿路結石とは

尿路結石とは、腎臓・膀胱・尿管・尿道などの尿が通過する臓器に結石ができる病気です。 尿は腎臓で生成されて、腎盂⇒尿管を通って⇒膀胱へ溜まり⇒尿道を通って、排尿されます。この尿の通り道を「尿路」と呼んでいます。したがって、この通路のどこかで結石が生成された場合「尿路結石」と呼び、さらに詳細に言えば、尿管で結石ができれば「尿管結石」という呼び方になります。

上記のような激しい痛みが症状として顕著であり、5年以内の再発率が30%〜40%程度あるのも大きな特徴です。

尿路結石の原因

結石は血中のカルシウムやシュウ酸等が飽和量を超えることで凝固して結晶化して生成されます。特に結晶化が起きやすいのが夏です。夏は汗をかくことで脱水し、血液の濃度が濃くなります。すると、腎臓で生成された尿は過飽和の状態となり、尿中の成分が結晶化して結石となります。

さらに結石ができる要因は生活習慣や体質的要因と器質的要因の二つに分かれます。
<生活習慣・体質的要因>
・水分摂取量がいつも少ない
・汗をかきやすい
・暴飲暴食
・糖分や塩分が多い食事を好んで摂る
・動物性たんぱく質の頻繁な摂取
・シュウ酸の多い食べ物(野菜:ホウレンソウ、タケノコ他、紅茶、コーヒー、緑茶、バナナ、チョコレート、ココア、ピーナッツ、アーモンド他)
・運動不足
・ストレスが過剰にかかっている
・遺伝
・薬剤性(尿酸排泄型の高尿酸血症治療薬など)
<器質的な要因>
・原発性副甲状腺機能亢進症(高カルシウム血症)
・尿路の通過障害
・病気やけがによる寝たきり状態
・骨粗鬆症
・奇形の尿路
・カテーテル留置中
・残尿過多
・膀胱憩室

原因は上記のようなものが挙げられます。しかし、5割以上は原因が分からない特発性尿路結石症と言われています。男性だと高齢の方、女性だと閉経後の方に多い傾向もあるようですが、上記で挙げたような生活習慣の乱れは社会的に増えてきておりますので、若年性の結石も近年では少なくありません。

尿路結石の検査

<問診>
症状、既往歴、生活習慣、家族歴などをお尋ねします。当院ではWEB問診の中で簡単にボタンを押すだけで回答ができます。

<尿検査>
尿の濃度や、血尿が出ていないか、尿路感染症が無いか等を調べます。背部痛、下腹部痛の痛みや違和感の原因が結石とは必ずしも限りませんので、必ず尿検査で鑑別診断を行うように心がけています。尿路で何かしらのイベントが起こっている場合には、8-9割方尿中に赤血球や白血球が混在しています。

<血液検査>
血中の成分の含有量などを調べることで腎機能障害の有無を確認します。結石を放置し症状が進むと腎機能に影響が出てしまい、尿素窒素、クレアチニンなどの尿毒素や、カリウムなどの電解質が異常値を示すことがあるためです。

<超音波検査・X線検査>
上記の検査により、尿路結石の疑いが濃厚になれば、次は画像による判断を行います。下腹部を撮影し、結石が存在しているところや大きさ、腎臓の形を調べます。超音波検査、X線共に、横に寝ていただくだけで簡単に実施が可能です。ご負担なく正確な確認ができます。

尿路結石の治療方法

結石の大きさと症状によって、治療方法は変化します。
<結石サイズ4~5mm未満>
このサイズの場合は、痛みは発生してしまいますが十分な水分摂取と運動になり自然に排出することを促すことで除去が可能です。鎮痛剤や結石を排出しやすくする薬を用いることで取り除きます。

<結石サイズ4~5mm以上>
この大きさになると、薬物療法では取り除けない可能性が高くなります。したがって下記のような手法で砕いて取り除く形になります。

・「ESWL(体外衝撃波腎・尿管結石破砕術)」
体外から衝撃波を与えて砕く方法。結石を砂状に破砕して尿と共に排出させます。
上部・中部尿管の結石または、下部尿管の約10mm未満の結石の時に適応されます。
麻酔は特に施行しないため、日帰りで治療可能です。

・「TUL(経尿道的尿管結石破砕術)」
尿道から尿管内に内視鏡を入れてレーザーで結石を砕く方法。尿道から挿入するため、下部尿管の10mm以上の結石や、体外衝撃波治療があまり効いていないと考えられる場合に実施されます。
腰椎麻酔または全身麻酔で行うため、数日間の入院加療が必要になります。

・「PNL(経皮的結石除去術)」
背中から腎臓に穴を開けた後に、内視鏡を挿入し、結石を破砕して直接取り出す方法。
かなり侵襲の大きい手術になるため、経尿道的アプローチのみでは完砕できないと判断された大きな腎結石や、サンゴ状結石に施行されます。最近は、より確実に結石を破砕し、回収まで行うために、PNLとTULを併用したECIRS(経皮・経尿道的同時破砕術)も行われるようになりました。

結石の大きさ、位置、患者さんの合併症、ADL(日常生活動作)、社会的背景などを鑑み、適切な方法で除去のご提案をさせていただきます。
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■尿路結石を起こさないための予防策
前述したように、尿路結石は再発の可能性が低い疾患ではありません。したがって、原因となる生活習慣の改善がそのまま予防策となります。具体的には下記のような内容です。

・1日あたり2Lは食事以外で水分を摂る。
・塩分や糖分、プリン体を多く含む食品の過剰摂取を避ける
・動物性脂肪、動物性タンパク質の過剰摂取を避ける
・就寝の4時間前までには夕食を食べる
・野菜、海藻類、果物は尿をアルカリ性にし、結石の生成を防ぎます

また、結石は生成される成分により再発の仕方も違います。一度なってしまった場合は、必ず結石の成分を検査し把握して、適切な予防策を講じることを強くおすすめいたします。

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■尿路結石でお悩みの方は当院へご来院ください
当院は、尿路結石の診察・治療に専門的に対応しております。尿路結石は、激痛を伴うためそのままにされる患者さんはいらっしゃいません。しかし、我慢してしまっている方も一部いらっしゃいます。それは結石が大きくなることを放置している行為ですから、ある日耐えがたい激痛を感じて、病院に駆け込み、外科的手術を実施することにもなってしまいます。小さいサイズの結石であれば、薬だけで対処が可能です。痛みが出始める前の違和感のある時点で、泌尿器科へ受診ください。


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文責
すがわら泌尿器科・内科クリニック
院長:菅原 草


2022年4月10日最新更新