PSAとは、前立腺の上皮細胞から分泌される糖タンパクのことです。これが精液の中ではなく、血中に漏れ出てしまい、その量が基準値を超えている状態のことを指します。原因は、前述した通り、
・前立腺癌
・前立腺肥大症
・前立腺炎
・加齢性変化
などが挙げられますが、尿閉等による膀胱内圧の上昇、射精をした後や長時間座り続けてしまう、自転車のサドルで会陰部が圧排されることによる機械的な刺激を前立腺に与えることでも数値は上昇することがあります。

主に下記のような疾患が挙げられます。
・前立腺癌
・前立腺肥大症
・前立腺炎
前立腺癌だった場合には、直ちに高次医療機関にて治療を開始することになります。

採血検査を実施

PSAが高いと一度出た場合、基本的にはもう一度採血にて測定を行います。たまたま測定時に炎症やその他の要因で一過性に上昇していることもあるからです。そこで数値の変動を確認したり、PSA（F/T）と言って、フリーPSAとトータルPSAの比をみて、PSA4.0-9.9ng/mlのグレーゾーンの場合に、悪性の可能性が高いのか、低いのかを予測する検査も行います。さらに超音波検査・直腸診（肛門から指を入れて直接前立腺の大きさ、形状、硬さなどを確認する検査）などで、前立腺の肥大の程度や、圧痛がないか、前立腺に硬いしこりが無いかなどをチェックします。もちろん、前立腺内部での炎症有無を確認できるので検尿も行います。
上記検査結果をもとに前立腺癌が疑われる場合には、画像診断として、MRIを行います。
最近は、従来のT2強調画像や拡散強調画像に加え、より客観的に前立腺癌の可能性を5段階評価で判断するPI-RADS分類によるスコア化で読影されるようになり、生検ありきの診断ではなく、本当に生検の必要性があるのかをまず画像診断にて吟味された後に生検を行うようになりました。侵襲ある生検を無駄に行われない様に工夫されてきているのが最近の動向です。
繰り返しにはなりますが、上述したもろもろの検査を実施することで初めて前立腺癌か否かを判定ができます。PSAが一度でも高いと指摘された方はひとまず泌尿器科の専門クリニックへ検査に行くべきです。

治療方法はそれぞれの疾患により変わりますので、詳しくは各疾患のページをご覧ください。

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