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“肉眼的血尿”侮るべからず!

先日、昨年末より3日に1回のペースで、

血尿が続いている。という方が受診されました。

まず、診察の後に腹部超音波を施行した際に、

右腎結石が2個。また、左の腎盂の拡張が認められました。

膀胱内はしっかりと尿が貯まっている条件下で

確認しましたが、腫瘍や結石を認めませんでした。

尿検査上も顕微鏡レベルでの赤血球数が毎視野に多数認められておりました。腹部レントゲンも施行したところ、超音波で認められた右腎結石以外に、左尿管結石も認められており、超音波で認められた左腎盂拡張は左尿管結石によるものと判明しました。

また、悪性細胞の有無を調べる尿細胞診の

検査でもクラスⅡという結果で、陰性でした。

ここまでの所見で、大方尿路結石による

肉眼的血尿でほぼ決まりかなというところですが、やはり

 

顕微鏡的血尿とは異なる扱いをしなければならず、

万が一膀胱内の小さな腫瘍性病変を見逃していたりする

可能性がゼロではない。

 

ということを患者さんにお伝えし、

快く承諾されたため、内視鏡で、膀胱内を

観察することとなりました。

 

ここで患者さんに承諾が得られなければ、

検査は行われていませんでした!!

 

現在の膀胱内視鏡はかつての硬性鏡とは異なり、

胃カメラや大腸カメラと同じで軟性鏡>>

のため、大きな苦痛を感じることなく5-10分程度検査を終了できるためあまり怖いものと

身構えずに行えるようになりました。話は戻りますが、結局内視鏡を行った結果、

先ほどの患者さんの膀胱内には小さな早期の膀胱がんが2か所に発見されました。

 

エコー所見をうのみにせず、しっかり内視鏡検査

を行ってよかった!見逃さずに見つけられてよかった!

 

と患者さんともども肝を冷やすと同時に、

安堵の気持ちにさせられました。

すぐに近隣の施設に紹介し、膀胱がんの内視鏡手術

を優先に、その後、尿路結石に対する破砕術も

行ってもらうこととなりました。

健診での顕微鏡的血尿の精査で訪れる方、

肉眼的血尿で自ら訪れる方、血尿には色々

な情報を与えてくれるきっかけとなる症状です。

 

特に症状のない無症候性肉眼的血尿にはご用心を!!