慢性前立腺炎>>
は、男性に特有の疾患です。
特に季節変動はありませんが、長時間座位でいる職業の方や、
ツーリーングを趣味とされている方に多い傾向があります。
慢性前立腺炎は、急性前立腺とは違い、発熱したり、排尿時の痛みや残尿感、客観的な
尿検査や採血検査では異常が認められないのが特徴的です。
症状としては、下腹部や会陰部(肛門と陰嚢を結ぶ領域)
の重苦しさや違和感等が一般的です。原因は不明とされていますが、長時間座位でいることや、
ツーリングが趣味の方の傾向として、会陰部を長時間圧迫されている姿勢が前立腺周囲の血流の鬱滞(うったい)を招くことで、前立腺およびその周囲の細胞への酸素の供給が低下することにあるのではないか、と言われています。
過去の文献に、ツーリングの選手の尿道海綿体の血液を採取し、
酸素飽和度を計測した結果、ツーリングをしない一般の方と比較し、
明らかに酸素飽和度が低下している。という見解を記載している
ものがありました。
よって、慢性前立腺炎の特徴的な症状をきたしている方は、
長時間、会陰部を圧迫している姿勢を回避して、それでも
症状が良くならない場合は、
細菌性の慢性前立腺炎である
可能性があります!
発熱や尿検査、採血検査等で異常が認められなくても、
抗生剤の投与や、前立腺の炎症やむくみをとる生薬の服用により、
症状の寛解を見込めますので、
同様の症状で悩まれている方は、是非泌尿器科医にご相談ください !
投稿者: すがわら泌尿器科内科